第八回 - 700字文体シャッフル企画

700字文体シャッフル: オルタナティブ!

テーマ: 前進/停滞

投稿期間: 2月22日 ~ 2月24日

予想期間: 2月25日 ~ 2月27日

参加方法: 以下のグーグルフォームに必要事項を入力して送信してください

投稿は締め切りました

レギュレーション: ①700文字以内②今まで世に出していない③1作まで④短歌でない⑤社会性がある⑥AI作でない⑦読解可能な文章である

Q and A

Q.文体シャッフルって?
A.みんなで匿名で文書いて、それを誰が書いたか当てる企画です!だから何書いたかいうなよ!

Q.過去作は?
A.下記リンクから文体シャッフルハブに飛べます!

http://pond-of-lotus.wikidot.com/500or700

Q.構文は?
A.by ukwhatnukwhatn。偉大なる御大に感謝。

Q.お題が2つあるけど、どう扱えばいいの?
A.どちらかのお題を選んでも、両方をテーマに組み込んでもOKです。
また、テーマ選択で作品が区別されることはありません。






A グループ

この作品の作者は Hasuma_SHasuma_Sさんでした!
予想結果: Hasuma_S×2, kata_men, Mishary, 2MeterScale, Utsuki_K, Syutaro Eji


深い暗闇に、ぽつりぽつりと白い光が浮かんでいる。その中で一際大きく、青く輝くそれは、さっきまですぐそばにあったはずだった。なのに、今は手のひらで隠れてしまうほど小さくなってしまった。伸ばした手は、視界が滲んでよく見えなくなった。

今、私はこの暗く広い空間を当もなく漂っている。最初は衛星軌道観光船の外を体験するだけだったはずなのに。私と船を結ぶ命綱は、何かに引っ掛かる音がして、呆気なく破れてしまった。

周りの人は皆、私に手を伸ばしていた。息子も、私を必死に呼んでいた。でも、私の身体は既に重力の外へと向かい出していた。だから、私は腕でバツのジェスチャーをして、その後に手を大きく横に振った。最期に伝えられたコトバはバイバイだった。

私を守る宇宙服は、機能しているはずだ。酸素メーターも満タンのまま。数日は問題ないだろう。数日。私のタイムリミット。どのくらいの時間なのだろう。生憎私は時間を計る手段を持っていない。このうるさいほど耳に響く私の鼓動が、何回鳴ったのかを数えたらいいのだろうか。ずっと浅い呼吸が、時間を贅沢に消費していた。

陽光の陰にいる私は暗く沈む。寒くて、怖い。誰もいない。私はあの青い星に帰ることができない。どこに流れ着くこともなく、孤独のまま朽ちていく。でも、それで終わりたいとは思わなかった。

せめて、誰か、最期に。光を。

「父さん」

ぼやけつつある思考に、聞こえるはずのない声が届く。青い星の反対を見ると、一筋の光が私に注がれていた。わかった、今行くよ。身体から力を抜き、光の方へ流れていく。

壊れた服から漏れ出る酸素が推進力となり、私の身体は星の海を駆けた。ああ、最果てはすぐそこだ。


B グループ

この作品の作者は Ruka_NaruseRuka_Naruseさんでした!
予想結果: Ruka_Naruse×2, AAA9879, watazakana, TOLPO, Shishiza man, Kuronohanahana, rokurouru


"聞け、諸君!我がゴード・アイランド号の目的地は我が故郷であり、諸君らの呼ぶ処の新大陸である!我が望みは故郷の大地を再び踏みしめ、諸君らを新天地へと導く事だ!"

4年前そう熱弁した彼が、頭を抱え蹲るこの男と同一人物だと、誰が信じるだろうか。

最後に積み込んだ食糧が半分を切った。此処は既に世界地図の外だ、もし引き返さず、新大陸に辿り着く事も出来なかったならば待つのは死だ。

「君か……すまない、学生の君も巻き込んでしまって」
「そんな、諦めるにはまだ早いです!いつも話してたじゃないですか、"俺は彼の地から来たのだ、辿り着けぬ筈がない"って」
「無いんだ」

僕の言葉を遮るようにぽつりと零す。

「新大陸に行った事なんて無いんだ」
「え……でも、海図を持ってるじゃないですか。それに、新大陸での生活も話してくれたし」
「父の形見だ。海図も船も、話した全ても」

一度綻んだ秘匿は忽ち決壊する。

「俺は父の故郷に行きたいだけだった。でも行くには金も人も要る、だから新大陸が存在すると信じさせる他なかった。パトロンを、世間を、君達を、騙すしかなかった……故郷の存在を、否定されたくなかった」

独白を最後まで聞き届けた僕は、一呼吸空けて言葉を投げかける。

「つまり、独りが怖かったんですね」
「……え」
「お友達になりましょう、僕が第一号です!二号も三号も作りましょう!友達なら苦楽を共にして当然ですから、船長任せじゃない、本当の旅を始められる筈です!だから……皆に打ち明けて一度、戻りましょう。辿り着く為に」

――沈黙。唇を僅かに震えさせ、僕を見上げる。

「……わかった」
「良かった……これで一歩前進、です!」
「4年かけて……やっと一歩、か」


C グループ

この作品の作者は Azalea-000Azalea-000さんでした!
予想結果: Nununu, Ryu JP, izhaya, seda87ne


私と貴女は、ずっと昔に友達だった。毎日私と一緒にいて、よく誰かに私の話をしてくれた。覚えてる?貴女が私の絵を描いてくれた事。貴女は何てことないと思っていたのだろうけど、私にとってはそれが本当に嬉しくて。その絵を見た意地悪な男の子が私のことを馬鹿にしたとき、本気で怒ってくれたっけ。

貴女が中学に上がった頃かな、貴女は段々と私と距離を置くようになった。私の話もしなくなったし、私のことを誰かに訊かれてもはぐらかすばかりになった。

やがて貴女は、これっぽっちも私に見向きしなくなった。部活も、私とは関わらないような所にしたんだったね。ちょっとだけ寂しかったけれど、貴女の望んだ事だから。


それからも色々な境地に立たされたりしたけれど、それでも貴女は頑張った。やがて貴女も大人になって、独り立ちをする時が来た。今では持っていくものと捨てていく物を整理するために、クローゼットを漁っている。

おや、どうしたの?急に手を止めて、何を見つけたの?

ぴたりと止まった貴女の背中は、やがて少しずつ震えだした。貴女の涙の落ちる先には私の絵があった。嬉しい、まだ残していてくれたんだ。……ううん、大丈夫。私は決して、貴女を恨んだりなんてしていていないから。まあ、少し寂しくはあるけれど。是非を問うものなんかじゃない、そういうものだと知っているから。

貴女は私に背を向けて、やがて見えないところまで歩き去っていく。これでいい、これが私の最期でいい。

いつか消える私から、貴女へ決して届かない言葉をあげる。

行ってらっしゃい。次に出会う"夢"こそは、ちゃんと叶えてあげるんだよ。


目利き部門


総合優勝

KiygrKiygr

(25pt.)

新王誕生!


総合準優勝

SuamaXSuamaX

(23pt.)


総合3位

FireflyerFireflyer

(14pt.)



Aグループ優勝

KiygrKiygr

(10pt.)


Aグループ準優勝

SuamaXSuamaX

(6pt.)


Bグループ優勝

SuamaXSuamaX

(12pt.)


Bグループ準優勝

KiygrKiygr

(10pt.)


Cグループ優勝(同率)

SuamaXSuamaX, FireflyerFireflyer, KiygrKiygr

(5pt.)


文体当てられ部門


Aグループ優勝(同率)

santousantou, sanks269sanks269

(5pt.)

Bグループ優勝

rokuroururokurouru

(7pt.)

Cグループ優勝

1NAR11NAR1

(6pt.)


主催 - Ruka_NaruseRuka_Naruse

技術協力 - Dr_KudoDr_Kudo

原案者 - meshiochislash does not match any existing user name