第七回 - 700字文体シャッフル企画

700字文体シャッフル: 第七回

テーマ: 流れ

投稿期間: 1月14日 ~ 1月16日

予想期間: 1月17日 ~ 1月20日

参加方法: 以下のグーグルフォームに必要事項を入力して送信してください

投稿は締め切りました。

参加資格:SCP-JPに著作がある。AIでない。

Q and A

Q.文体シャッフルって?
A.みんなで匿名で文書いて、それを誰が書いたか当てる企画です!だから何書いたかいうなよ!

Q.過去作は?
A.Twitterで「#500字文体シャッフル企画」「#700字文体シャッフル企画」を検索!

Q.構文は?
A.by ukwhatnukwhatn。偉大なる御大に感謝。






A グループ

author:tateito

GermanesOno×2, hallwayman×3, Hoojiro_san, santou×2, tateito×2


赤道の南からアフリカ大陸を北上し地中海に注ぐナイル川は、河川の長さとしてはこの惑星で最も長いものであるが、人類と共に歩んだ歴史もまた随一だ。

大ピラミッドが作られた時代よりもさらに昔、ヒエログリフすら存在しなかった時、あるいは言葉すら十全に整っていなかった時すら人類と共にあった。

ナイル川の氾濫防止のために作られたアスワン・ハイ・ダムの上に一体の肥満した神が立っている。ナイル川の化身、ハピである。

エジプト人は常に信心深かった。いつも神と共にあった。とはいえ信じる神は移り変わって行った。かろうじてギリシャ人がファラオであった時代までは太陽神の眷属が信仰されていたが、ローマの属州になるとヤハウェが唯一絶対の神となり、そのうちペルシアに占領され、それがイスラム帝国に打ち破られるとアッラーが彼らの神となった。

ハピはけして忘却の彼方に追いやられた訳ではないが、精々が観光資源の一つとしか見られていない。

ハピはナイル川の流れを止めようと思った。

ナイル川は止まらなかった。

ハピはナイル川を氾濫させようと思った。

ナイル川の流れはダムの影響で緩やかである。

そこでハピは、自らが人間の想像の産物である事を思い出した。

無から生まれた神は無へと還り、ナイル川に溶けて消えた。

ナイル川は人間と共に流れ続けている。ナイル川への畏敬と信心もまた同様に。


B グループ

author:R-00X

aster_shion, BARIGANEsensha, Dr_rrrr_2919, Fireflyer, Kuronohanahana, kyougoku08, p51, R-00X×3, roneatosu


「よう████、今暇してる?」

今、今か。なかなか難しい質問だと思った。

彼の言う『今』とは、決して会話を交わしているこの瞬間のことでは無い。彼が私と行いたいであろう何かしらの用事を済ます為に必要とされる、この後の数分と言った時間を意味する『今』だ。考えてもみれば、それは厳密には未来であって『今』では無い。

では何故それをあえて『今』と表現せねばならないのか。それはきっと、この『今』という時間が、本当にそのプランク秒ほどの時間によってのみ構成されるものでは無いからなのだろう。『今』は、過去という名の文脈の上に成り立ち、未来という名の展望の下に成り立つ。少なくとも、そう観測できる。人は己の認識する過去に合わせて『今』が何であるかを解釈し、望ましい未来へ向けて『今』がどうあるべきかを構築していく。

『今』は、きっとスカラーではなくベクトルなのだ。その瞬間だけを切り取り、手渡しても意味はない。過去から通じ、未来へ繋がる『今』という矢印、その指針。彼が欲しいと言う私の『今』はそう言う性質のものなのだ。

こう考えると、現在をcurrent(流れ)と書き表すのは、実に的確に思われた。私という流れを彼に預ける事が、果たして叶うだろうか。『今』という捉え所のない流れ。それが過去と未来を渡す流れだというなら、水源を見定め、河口を見定めたならば、あるいは、きっと。

「すまない、少し考えるので待ってくれないか」
「その返事の為にまず10分待たされたんだが?」


C グループ

author:R_IIV

Dr_Knotty×2, Hasuma_S, R_IIV×3, SuamaX×2, Tsukajun×2


冷えた世界と、薄い硝子を挟んで、カーテンの隙間から頑張って潜り込んだ朝日が出会って、その花は朝露に濡れる。
ちっぽけで、狭い狭い花瓶の中の、少しだけ残った水に浮かびながら、頭をもたげている。柔らかで枯れてしまいそうな白。
真っ白な狭い病室の中で、真っ白な手が、真っ白なシーツの上で、好奇心の強い朝日に温められている。それでも、ひたすらに冷たそうな白。
緑髪はふわりと散らばって、彼女の寝顔を隠している。
また今日も、誰かが彼女の元へやってくる。
何も変わることは無い。水を変え、花瓶を洗い、ほんの少しだけ茎の先を切って、また、元の場所へ。
指先にかかった朝露の冷たさに起きた彼女の元へも、誰かがやってくる。
何も変わることは無い。肌着を変えて、身体をふいて、2つほどの錠剤を飲ませて、またベットに寝かせる。
今日も、彼女は俯いたまま、何処か遠くの世界を覗いている。未来、それとも過去、あるはずだった今?
レースのカーテンの向こうから、ころころと笑う子供の声がきこえる。純心、無邪気、無垢という罪。
彼女はゆっくりと花瓶を手に取って、彼女が咲いていたはずの花壇をちらりと見た。
涙が一雫、枯れたつぼみの上に。咲くことが叶わなかった、彼女の片割れの上に。
白い花は、重たそうにふらふらと揺れる。彼女の痛みが分かるのだろう。本当に?

彼女の子供は流れてしまった。最後の彼女の希望だったというのに。
病棟に送られる前に、ほんの少し残っていた寂しさが顔を出して、あの白い花を摘んだのだ。

──彼女の担当だった看護師の日誌より

でも本当は、あの花は咲けた。2人で、美しく。彼女が摘んだから、片方が死んだ。
可哀想な話だ、とても。


目利き部門

総合優勝

SuamaX

(19pt.)


総合2位

Kiygr

(17pt.)


総合3位(同率)

EianSakashiba meshiochislash

(14pt.)


グループA 部門優勝

Kiygr

(8pt.)


グループA 部門2位(同率)

SuamaX EianSakashiba meshiochislash

(7pt.)


グループB 部門優勝

SuamaX

(6pt.)


グループB 部門2位(同率)

GermanesOno DX-abc Fireflyer meshiochislash

(5pt.)


グループC 部門優勝

SuamaX

(6pt.)


グループC 部門2位(同率)

k-cal Kiygr EianSakashiba

(5pt.)



文体部門 

グループA 部門優勝

hitsujikaip

(11pt.)


グループA 部門2位

1NAR1

(7pt.)


グループA 部門3位

hallwayman

(5pt.)


グループB 部門優勝

islandsmaster

(6pt.)


グループB 部門2位

meshiochslash

(5pt.)


グループB 部門3位(同率)

aster_shion Dr_rrrr_2919 Fireflyer Kuronohanahana Tutu-sh

(4pt.)


グループC 部門優勝

Touyou Funky

(7pt.)


グループC 部門2位(同率)

Nekokuro rokurouru

(4pt.)


グループC 部門3位(同率)

Dr_Knotty Popepape R_IIV SuamaX

(3pt.)



主催 - MisharyMishary

企画代行 - Ruka_NaruseRuka_Naruse

技術協力 - Dr_KudoDr_Kudo

原案者 - meshiochislash does not match any existing user name