第十二回 - 700字文体シャッフル企画

700字文体シャッフル: プロヒビット!

テーマ: 飛

投稿期間: 6月6日 ~ 6月8日

予想期間: 6月9日 ~ 6月11日

参加方法: 以下のグーグルフォームに必要事項を入力して送信してください

https://forms.gle/v2k92PPKPUWbaDzj8 作品投稿は締め切りました。

レギュレーション: ①700文字以内 ②今まで世に出していない ③1作まで ④短歌でない ⑤社会性がある ⑥AI作でない ⑦読解可能な文章である ⑧禁忌指定を含まない(後述)

※ レギュレーション違反の作品は公開されないか、公開後に気づいた場合は非公開になります。事前連絡は基本できません。暴れるときは空気を読んで自分の責任で!

Q and A

Q.文体シャッフルって?
A.みんなで匿名で文書いて、それを誰が書いたか当てる企画です!だから何書いたかいうなよ!

Q.過去作は?
A.下記リンクから文体シャッフルハブに飛べます!

http://pond-of-lotus.wikidot.com/500or700

Q.構文は?
A.by ukwhatnukwhatn。偉大なる御大に感謝。

Q.禁忌指定ってなに?
A.作品に含んではならない要素です。今回限りの特別ルールとなっています。

Q.禁忌指定ギリギリを攻めるのはアリ?
A.攻めること自体は構いませんが、禁忌指定に反していると判断した場合は他のレギュレーション違反同様に予告なしで公開されません。

禁忌指定

①飛び降り自殺
②麻雀の"飛び"
③アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ著『夜間飛行』







A グループ

この作品の作者は tateitotateitoさんでした!
予想結果: Ruka_Naruse×2, Nika_Nayuki, kyougoku08, Dr_Knotty×2, konumatakaki


馬鹿ばかりだ。当たらない万馬券を握りしめ目を血走らせる株主共も、現場を知ろうともしない経営陣も、上司の意を伝えるだけの中間管理職も、唯々諾々と従う技術者も、馬鹿しかいない。

そして死ねと言われて死ぬ俺は馬鹿の王様だ。

テストパイロットが俺の仕事だ。試験飛行機に乗って飛ぶ。そういう仕事だ。それでこのスペースプレーン、滑走路から離陸してそのまま大気圏に飛び出す飛行機、を飛ばす訳だがこの飛行計画、確実に失敗する。

「理論上では行けるんですよ」

つまり机上の空論の煮凝りのような産物に乗せられるのだ。極限環境の風洞実験が出来ないからシミュレーションで補う?エンジン構造を変化させながら最も効率的な出力を得る?設計上無人での運用が想定されず納期の関係もあり有人で飛ばす?馬鹿!

この試験飛行機、「X-なんとか」とか制式名称があったが俺は心の中で「打ち上げ花火」と呼んでいる。

役員が最後の挨拶に来た。

「どうかお願いします」

人柱となって死ねって願いか?俺はサムズアップした。馬鹿は口を半開きにして去っていった。

カウントダウン。今からでも降りて帰って寝るのが正解だろうがそのままでいた。仕事だからか?いや、ただの惰性だ。

テイクオフ。世界を置き去りに悠々と音速を超え、そのままガンガン加速する。

今更、自分がなぜ飛んでいるかを想う。俺に死ぬ覚悟などない。何も考えてないだけだ。

自省している瞬間にも加速は続き、マッハ5を超えた辺りで異音と振動、アラーム。モニターのブラックアウト。

終わりか。

しばらくするとモニターは回復し、異音と振動は収まった。

空は暗く、星々が降臨する。地平線は円弧を描き、青く輝く。

万馬券は当たったらしい。


B グループ

この作品の作者は kihakukihakuさんでした!
予想結果: kihaku, R_IIV, AAA9879×2, 1NAR1×3


「飛ぶってことを実現した人間ってすごいよな。飛行機しかりヘリコプターしかり、昔から多くの人が挑戦して、今や普通の技術にまでなって」

操縦席の男は楽しそうに叫んだ。
オンボロのレシプロは男の声と競うようにうるさく唸る。

「人間はそれだけじゃ飛べないから道具を使う訳だけどさぁ、だんだん複雑になるにつれて資格やら技術やらがある人に依存するんだよな」

目の前で目まぐるしく変化する計器の針やメーターを捌きながら男は笑う。

「その技術は今や戦争の花形で、俺たちはそれを扱える貴重な人間だぜ。キャンプに居りゃみんなから羨望の的だ」

男の胸には幾つもの徽章が煌めいている。

「家内も喜んでくれたよ。お前さんとこの娘さん幾つだっけ? 七つ? いいねぇそれじゃあ生きて帰らなきゃなぁ」

曳光弾が追い縋る。銃座を回す。ペダルを小刻みに踏む。敵機に光筋を寄せていく。煙を吹いた。

「やるねぇ。残弾は?」
「三機分」
「そんなに撃たせねえよ」
「信じてる」

自機の背後に二機、左に一機。先ほどからやたらめったら撃ち込んでくる。そんなに情報を持って帰られるのが嫌なのか。一機で三機を取っ替え引っ替え踊るのは、少々私には勿体無い。私らなんかに構わないで、もっと別のお相手でも探せと助言してやりたいが、こうも私たちにゾッコンなら仕方ない。これも偵察の宿命だ。

「軍規だか性能限界だか知らねえが、守らせたいなら全部機械にやらせるべきだと俺ぁ思うね!」

男は酒を煽り、操縦桿に手をかける。私は先ほどから敵機に照準を合わせている。

「舌噛むなよ」
「了解だ」

全身に乗る心地よい重力。天地が裏返る。火を吹く機銃座。錐揉む敵機。頭上に大海原が広がった。

翼を得た人ならば、空は楽しむもんだ。


C グループ

この作品の作者は 2MeterScale2MeterScaleさんでした!
予想結果: 2MeterScale×7, BARIGANEsensha


 殺風景な輸送機のカーゴベイ。薄暗くて息苦しい。おれは辺りを見回す。薄緑色の金属がむき出しになっている中、赤色の救命セットと簡素な椅子が嫌に目立つ。本来なら六四人を詰られるカーゴベイにはおれ一人しかいない。
椅子に座っていてなお、背中のパラシュートと、四肢の間に広がるムササビスーツ、そして装備の重さが体にのしかかる。おれは葉巻を取り出して吸った。厳密に禁煙な機内だったが、ヘッドホンの向こうのオペレーターからは何も言われない。そういうことなのだ。正規の作戦じゃない。
貨物室内で慌ただしく駆けている作業員が、おれのことを胡乱げな視線で見つめる。そして、すぐに何も見なかったふりをする。多分、彼はこの業界で長生きできる。おれにはそんな確信があった。
<動力装置制限空域侵入一分前。エンジン停止用意>
 機長の声が耳朶を叩く。音質の悪さは前世紀から殆ど変わっていない。ほどなくして、両翼のターボプロップエンジンが止まる。飛行機の振動が一瞬だけ消えたと錯覚した。機械の振動がなくなった代わりに、空気の振動が機体を叩く。おれは身震いをした。一瞬だけ機内の電気が消えて、予備電源に切り替わる。小さい機窓の向こうは真っ暗で、星なんて見えなかった。
<降下三〇秒前>
 カーゴベイが開く。誰に命じられるでもなく、おれは立ち上がる。顔につけたガスマスクも、全身を締め付けるハーネスも、か弱い人間が一人で空に立ち向かうために必要なものだった。もちろん、輸送機も。
<降下五秒前>
 オペレーターのカウントダウン。<ゼロ>の合図が聞こえるやいなや、おれは重力に身を任せた。もう一つのディープ・ブルーの中に、身一つで。太陽がおれの体を熱くした。


目利き部門


総合優勝

KiygrKiygr

(31pt.)


総合2位

FireflyerFireflyer

(17pt.)


総合3位

SuamaXSuamaX

(13pt.)



Aグループ優勝

KiygrKiygr

(10pt.)


Aグループ2位

SuamaXSuamaX, FireflyerFireflyer

(6pt.)



Bグループ優勝

KiygrKiygr

(13pt.)


Bグループ2位

SuamaXSuamaX, FireflyerFireflyer

(6pt.)



Cグループ優勝

KiygrKiygr

(8pt.)


Cグループ2位

FireflyerFireflyer

(5pt.)



文体当てられ部門


総合優勝

kata_menkata_men, 2MeterScale2MeterScale

(7pt.)


総合2位

v vetmanv vetman, hallwaymanhallwayman, ShinoguNShinoguN

(5pt.)


総合3位

Ruka_NaruseRuka_Naruse, NununuNununu, meshiochislash does not match any existing user name, NorthPole NorthPole , watazakanawatazakana

(4pt.)



Aグループ1位

kata_menkata_men

(7pt.)


Aグループ2位

v vetmanv vetman

(5pt.)



Bグループ1位

hallwaymanhallwayman, ShinoguNShinoguN

(5pt.)


Bグループ2位

meshiochislash does not match any existing user name, NorthPole NorthPole

(4pt.)



Cグループ1位

2MeterScale2MeterScale

(7pt.)


Cグループ2位

watazakanawatazakana

(4pt.)




主催 - Ruka_NaruseRuka_Naruse

技術協力 - Dr_KudoDr_Kudok-calk-cal

原案者 - meshiochislash does not match any existing user name


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