第10回 - 700字文体シャッフル企画

第10回 - 700字文体シャッフル

テーマ: 自身の文体(なし)

投稿期間: 04月14日 ~ 04月16日

予想期間: 04月17日 ~ 04月19日

参加方法: 以下のグーグルフォームに必要事項を入力して送信してください

https://forms.gle/m2wPCTB9pC2JCmrd7

レギュレーション: ①700文字以内 ②今まで世に出していない ③1作まで ④過去SCP財団に一作以上taleを投稿しているor単著が3作以上ある

※ レギュレーション違反の作品は公開されないか、公開後に気づいた場合は非公開になります。事前連絡は基本できません。また、捻くれるときは自分の責任で! 僕は素直な感想を言います。

Q and A

Q.文体シャッフルって?
A.みんなで匿名で文書いて、それを誰が書いたか当てる企画です!だから何書いたかいうなよ!

Q.過去作は?
A.下記リンクから文体シャッフルハブに飛べます!

http://pond-of-lotus.wikidot.com/500or700

Q.構文は?
A.by ukwhatnukwhatn。偉大なる御大に感謝。



主催 - meshiochislash does not match any existing user name

技術協力 - Dr_KudoDr_Kudok-calk-cal

原案者 - meshiochislash does not match any existing user name







A グループ

この作品の作者は kihakukihakuさんでした!
予想結果: kihaku×3, Dr_Kudo, izhaya, k-cal


しんしんと粉雪が降りる。空も地面も全てを白く塗る。ひたすらに静寂な窓の外はどこか幻想的で、少女は母親が昼食に呼ぶまでずっと眺めていた。少女が賑やかな食卓につくと、所狭しと並ぶクリスマスチキンやローストポークから立つ湯気は食欲を刺激し、ガチョウの林檎煮の甘酸っぱい匂いが腹を満たす。聖夜の静かな、しかし暖かい団欒を囲み、少女は胸の前で十字を切ってローストビーフで食欲を満た────
 
閃光と衝撃が轟いた。
 
 
 
 
「酷い有様ですねぇ。こんな厚ぼったいの着なきゃ歩けないんじゃあ生存者は見込めないでしょうに」
「そりゃそうだがな」
くぐもった声で話す二人の男は、白い防護服姿を着て緩慢に歩を進める。
「ここら一体は一段と酷い」
「国際法なんざ初めっから当てにゃならねえんだ」
瓦礫の裏を覗いては落胆したようにまた歩き出す。
 
「──ね」
 
声を聞いた気がした。疲労かと思いつつ瓦礫の向こうを覗き見る。
「……見つけました。生存者です」
「なんだと」
引き返してきた男も、崩れた壁の向こうを確認する。
 
「──美味しいねパパ。」
「一口あげる、え、いらないの。じゃあ私が全部食べていいのね」
 
「……ひでえな」
男は小さくそう一言絞り出す。
「助けますか?」
「……いや、手遅れだ。あちこち炭化してる。この分じゃ心もダメだ。荷物だよ」
 
男は小さく十字を切り、既に先を歩き始めた男の後を追って、やがて消えた。
 
 
 
 
マリンスノーの様な白灰が降りる。街の亡骸を飾っていく。残るのは、二人のしろくまの足跡と、ひたすら自らを切り分けて口へ運ぶ少女、それに黒い影がいくつか。空は依然として鈍白を湛え、いつものように静かに、温かみの残る聖夜を埋めていく。


B グループ

この作品の作者は roneatosuroneatosuさんでした!
予想結果: Hoojiro_san×2, Hasuma_S×2, Fireflyer×2, teruteru_5×2


貴女の手を握ってから随分時間が経った。二時間か、三時間か。この年になると感覚がスープみたいに濁ってしまって、物事を把握するということも難しくなってしまった。寝台で重なる私と貴女の手はしわだらけでざらざらしている。昔感じたすっとした心地はないが、あの温もりが続いているだけで十分過ぎた。

貴女の顔を見ても眠っているのか、起きて黙っているのかも上手く判断できない。髪色も瞳の形も身長も同じだった私たちは、周りが見れば何が違うのかも分からないだろう。年月と共に私たちはますます似て、目に見えないようなものも同じになっていった。だが、私の考えは物心ついたころから周りと違った。貴女は臆病な私よりもずっと素敵で愛らしい。芯があるのにふんわりして温かい。今でもそれは不変だ。

「あ……」

急に貴女が何か言おうとしたのを見て身を乗り出す。貴女が私を見た。

無言が続いた。もしかしたら私のことをまた妻と勘違いしているのかも知れない。何も言えなかった。

「……姉さ」

ズキン、とした感覚が一瞬胸を走る。

「姉さん……来てくれないかな」

「ここにいるよ、ルーシー」

考えるよりも先に言葉が出た。ルーシーの驚いた顔が私をじっと見る。私ははにかみルーシーを抱きしめた。ルーシーも私も泣いていた。何もかもが遅すぎた。

あの日、私がルーシーが頼んだ場所に来ていたら、貴女に妻はおらずどこか遠い場所で私と二人っきりで暮らしていたかもしれない。ここから離れるだけの蓄えはあった。誘いに乗れなかったのは、私がどこまでも臆病者だったからだ。

長い間泣いて温度も震えも曖昧になっていった。何も感じない、貴女以外には。


C グループ

この作品の作者は kskhornkskhornさんでした!
予想結果: kskhorn×2, Enho_Osho×2, Azalea-000, stengan774, Ruka_Naruse, nekokuro


午前2時。ワンルームの狭いベランダをしとりしとりと雨が叩く。
その向こうで、盛りの桜は恨めし気に水滴とともに散っていた。
と、思う刹那壁の向こうからゴンという鈍い音が響く。
クソ野郎、俺の部屋だぞ、近所付き合いのこと考えてくれ。

『あーあ。隣のヒト、怒っちゃったね?
ダメでしょ?夜遅いんだから静かにしないと。
もうみんな寝てる時間だよ、分かってるの?』

誰のせいだと

「……お゙ほぉっ…!!」
腹の中に巨大な熱が『いる』。ゴリッとその熱が奥へとかき分ける度に、嫌になるほど反応してしまう。
「や、だぁ……だめ、だから」
こんな声が自分から出るなんて、少し前の自分でも知らなかった。

『ダメ?ダメなのは貴方じゃないの?
こんな時間に大声出して。男なら我慢できるでしょ?
良い子になるって昨日言ったもんね?我慢できるもんね?』

馬鹿野郎、ゆるして、理不尽すぎる、お願い。
拒絶と屈従が混ざって、滅茶苦茶な言葉が出てくる。
たすけて、たすけて、やだぁと声を上げる度に、脳が蕩けていくのが分かる。

『あれ、やだって言った?や、なの?いやいやするの?
……ふーん。じゃ、やめよっか。やなこと、したくないもんね?
僕もやなこと、したいわけじゃないからね。やめよっか』

ゆるゆると熱が抜けていく。
あ、あ、と息の抜けるような声が出る。
どうしよう。どうしよう。無くなってく。無くなっちゃう。

『はい、おしまい。やなことしちゃったね?ごめんね?
もう、やなことしないからね。良かったね。
……どうしたの、泣きそうな顔して。こわかった?』

やだ、やじゃない、やだ、やだ。

多分、雨が上がるまで。夜が明けるまで。この熱に勝てない。
そうして目を見つめながら、そっと脚を広げた。


目利き部門


総合優勝

KiygrKiygr

(37pt.)


総合2位

SuamaXSuamaX

(22pt.)


総合3位

FireflyerFireflyer

(18pt.)



Aグループ優勝

KiygrKiygr

(14pt.)


Aグループ2位

SuamaXSuamaX

(8pt.)



Bグループ優勝

KiygrKiygr

(12pt.)


Bグループ2位

SuamaXSuamaX

(11pt.)



Cグループ優勝

KiygrKiygr

(11pt.)


Cグループ2位

NorthPole NorthPole

(5pt.)



文体当てられ部門


総合優勝

souyamisaki014souyamisaki014

(7pt.)


総合2位

2MeterScale2MeterScale

(6pt.)


総合3位

teruteru_5teruteru_5, Jiraku_MoganaJiraku_Mogana

(5pt.)



Aグループ1位

meshiochislash does not match any existing user name

(4pt.)


Aグループ2位

kihakukihaku, SuamaXSuamaX, seda87neseda87ne, EianSakashibaEianSakashiba, ShinoguNShinoguN, ImerimoImerimo, R_IIV does not match any existing user name, hallwaymanhallwayman, Dr_KnottyDr_Knotty

(3pt.)



Bグループ1位

souyamisaki014souyamisaki014

(7pt.)


Bグループ2位

2MeterScale2MeterScale

(6pt.)



Cグループ1位

Jiraku_MoganaJiraku_Mogana

(5pt.)


Cグループ2位

Ruka_NaruseRuka_Naruse, GermanesOnoGermanesOno

(4pt.)



【700字文体シャッフル企画 特別企画開催に向けたアンケート調査】

文体企画が500字から700字へ一新されて凡そ9か月、700字文体シャッフル企画はついに第10回を迎えました。回を重ねるにつれ文体のグループ分けなどのルール整備が進み、更には2022年末に初の特別企画『Mr.SuamaXからの挑戦状!』が開催されました。有難い事に特別企画は無事成功を収め、それにより特殊レギュレーション企画への需要が高まって来ました。

つきましては記念すべき第10回が開催されたこの機会に第二回特別企画を計画したいと考え、実行に移すべくこちらのアンケートを取らせていただきました。現在構想している企画は700を超える文字数を上限とした企画であり、このアンケートでは具体的にどの程度の文字数までなら意欲的に参加できるかの意識調査となっています。回答は5分ほどで行えます。

回答は4/30まで受け付けます。また、頂いた情報は700字文体シャッフル企画運営サーバーでのみ利用・共有され、結果が公開されることはありません。

URLはこちら
https://forms.gle/eAXJb3X96nXNWB2z8

文責 - Ruka_NaruseRuka_Naruse